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DCCデコーダー用電源回路について

DCCデコーダ用電源の要求事項は、多少の集電不良が発生してもデコーダ制御に影響されない。
小型化、高効率であることなどあります。

一般的な電源回路



※Ltspiceに三端子レギュレータのシンボルが無かったのでLT1083-5で代用しています(^^;
DCC信号は、8.6kHz(1)と4.3kHz(0)で出力されています。よって、前段の全波整流回路には一般ダイオードによるシリコンダイオード
使わずに逆回復時間の早いファーストスイッチングダイオード(高速スイッチングダイオード)を使用します。
ショットキバリアダイオードは?Vfが低いのが特徴で逆回復時間は早いのかな?



Vin<Voになった時の保護用として、Vin-Vout間に保護用のファーストスイッチングダイオードが必要です

三端子レギュレータはリニア方式のドロッパ制御電源のため、12V→5Vに降圧させているため、その差の電圧が熱となります。
スイッチング電源化する事で発熱を抑えることができます。
なごでんさんで実験中。


三端子レギュレータのVinに1000uFの電解コンデンサを実装





桃:12V , 青:5V
5Vには1kΩの放電抵抗が実装されています。

汎用の三端子レギュレータの為、Vin-Vo間が1.4Vを下回るとVoの5Vが維持できなくなり低下が始まります。
※汎用以外の三端子レギュレータとは?低飽和型三端子レギュレータがあります。1Vくらいまで大丈夫になります。

三端子レギュレータのVinにショットキバリアダイオードを実装





桃:12V , 青:5V

三端子レギュレータのVoutに電解コンデンサを実装





12V側にコンデンサがほとんど無いため、DCC信号を途絶すると瞬間に電圧が低下します。
Vin<Voutになっているので三端子レギュレータにはよくありません。
電解コンデンサがほとんど効いていないのでVin<Voutになると三端子内部で消費されています。


三端子レギュレータのVoutにダイオードを実装





5Vはダイオードのカソード側を観測しています。
5V系の電源を保持させるにはVout側にダイオードをつけると有力でしょうか。



車両の集電調査

デコーダーにUEW電線を5Vと12Vに接続し、1Mほど引き出してオシロスコープで観測します。
車両を走らせた時の各電圧を観測します。




 
12Vに100uFの電解コンデンサが実装されています。
桃:12V , 青:5V(右の波形は左の波形の拡大です)

12Vが6.4Vを割り込むと、5Vの電圧にも影響が出てきます。
12V系で点灯している室内灯はちらつきます。


12Vに1000uFの電解コンデンサが実装されています。
桃:12V , 青:5V

かなり安定していますが、若干室内灯はちらついてしまいます。

トマランコンデンサ(キープアライブ回路)

大きな容量のキープアライブ(電解コンデンサ)を取り付ける場合、突入防止回路(抵抗)を付けないと
電解コンデンサがすっからかんの状態だと、無限大の電流が流れます。
整流ダイオードにもよくないし、コマンドステーションも負担になります。
よって、DCC電子工作連合では、充電用抵抗と放電用ショットキバリアダイオードを組み合わせた
キープアライブ回路の取り付けを推奨しています。



トマランコンデンサ
Keep Aliveコンデンサ用の回路基板

まとめ

12V系を安定させるには、12V側に電解コンデンサを実装すると安定します。
12Vが途絶えると、5V側に溜まっていた電圧が三端子レギュレータに吸収されてしまう。
5V系を安定させるには、5V側に電解コンデンサを実装して、ダイオードを入れると安定します。
5V系でアクセサリ(LEDなど)は有効。


リンク

あやのブログ

DesktopStation/DCC電子工作連合



2017/08/18 1版